1 名前:
キャプテンシステムρφ ★[sage ] 投稿日:2013/06/27(木) 09:26:49.68 ID:???0
電子ペーパーは液晶に比べて目が疲れない――こんな都市伝説めいた話について、
眼に関するプロフェッショナルである検眼医が興味深い論文を発表した。
この2つのディスプレイ技術には表示原理や特性に明確な違いがあるが、
「目の疲れやすさ」、という視点では、液晶は常に不遇な扱いを受けてきたといってよいだろう。
Web上で目にする記事でも、短時間での条件下で比較検証した結果を以て電子ペーパーの方が眼精疲労が少ないとしているものもあるし、
そもそも眼精疲労が身体疲労と混同して語られていることも多い。
では、眼に関するプロフェッショナル、検眼医は宗教戦争にも似たこの動きをどう見ているのだろうか。
それを示す興味深い研究がOpthalmic and Physiological Opticsに掲載された論文で触れられている。
これによると、有害なのはむしろディスプレイの低解像度だというのだ。
10人の被験者から成るグループが液晶(初代iPad)と電子ペーパー(ソニーPRS-600)のどちらかで数時間読書し、
その後、文字検索タスク、読書スピード、瞳孔対光反射といった客観的方法によるテストのほか、眼精疲労と全般的疲労の度合いについて主観的な質問を行っている。
その結果は、2種類のディスプレイでの読書に大きな差は認められず、
それぞれのディスプレイでの読書の影響は主観的尺度、客観的尺度の両方で非常に類似しているとある。
眼精疲労に関する質問結果はほとんど同じで、読書スピードについては実質的には同一だったという。
この結果はこれまでの常識を覆すような内容だ。
論文では、過去の研究の多くは最新のテクノロジーを考慮していないことを指摘している。
その最たる要素がディスプレイの解像度だというのだ。
この論文で用いられたのが新しいiPadのRetina Displayだったなら、
さらに論を補強できただろうにとは思うが、ディスプレイの高解像度化はユーザー体験を確実に改善しているようだ。
新たに出てきたこの研究結果1つを取り上げて、電子ペーパーと液晶に「眼の疲れやすさ」には差がない、とするのは早計だが、
現代ではそこに大きな差はないのかもしれない。
ニーズに合わせて適切な製品を選択したいところだ。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1210/26/news061.html