1 名前:
依頼@@@@ハリケーン@@@φ ★[] 投稿日:2012/01/07(土) 11:19:45.06 ID:???
電子書籍の現在についての追記です。
『電子書籍の衝撃』(佐々木俊尚著・ディスカヴァー新書)より。
歴史にイフが許されるのであれば、本の流通が雑誌流通とは別のかたちで、独自に存在
していればよかったのかもしれません。
実際、アメリカやヨーロッパでは本と雑誌の流通はきちんと区別されています、
アメリカでは本の出版社と書店の間では、電話などでの直接注文が行えるしくみが完備
されています。また取次のような流通会社も存在していますが、出版社と書店が互いに
在庫を確認し、すぐに注文できるような体制になっています。
これはヨーロッパも同様です。本は雑誌とは別の流通システムになっていて、出版社
直営か代行業の卸売会社が全体の70%の流通を司っています。取次は存在していますが、
補助的な流通プラットフォームでしかありません。
さらに重要なのは、アメリカやヨーロッパでは、本は書店の買い切り制になっている
ことです。
だから欧米では、無駄にたくさんの本が書店に送り込まれるようなことはありません。
書店が必要する本だけが注文され、出版社から書店に送られているのです。
ところが日本では、「どうせ委託だから売れなければ返本すればいいから」とバカみた
いにたくさんの本が毎日毎日、出版社から取次を経由して書店に集中豪雨のように流し
込まれています。そして書店の側は、アルバイトを雇ってせっせと毎日毎日、バカみたい
にたくさんの本を取次に返本しています。
資源の無駄遣い以外の何ものでもありません。
しかし、資源の単なる無駄遣いだけであれば、まだよいのです。この委託制による大量
配本は、別の重要な問題を出版業界に引き起こしています。
出版業界に詳しいライターの永江朗さんが「本のニセ金化」と呼んでいる重大事態です。
どのような意味でしょうか。
書店と取次、出版社の間でのお金のやりとりは、さまざまな条件があって非常に複雑な
のですが、ここではすごく単純化して説明してみましょう。
たとえば新書で考えてみましょう。定価700円ぐらいの新書の場合、出版社から取次に
卸す金額(業界用語では「正味」といいます)は500円ぐらいになります。この本を1万部
刷って、出版社が取次に卸したとします。
この際、重要なのは、売れた分だけ取次からお金をもらうのではなく、取次に委託した
分すべての金額をいったん取次から受け取れるということです。
だからこの新書を取次に卸すと出版社はいったん取次から500万円のお金を支払っても
らえます。
でも仮に、1万分のうち書店で5000部しか売れず、残り5000部は返本されたとしましょ
う。そうすると出版社は、この5000部の代金250万円を、取次に返さないといけないこと
になります。
そこで出版社はあわてて別の本を1万部刷って、これをまた取次に卸値500円で委託し
ます。そうするといったん500万円の収入になるので、返本分250万円を差し引いても、
250万円が相殺されて入ってくることになります。
これこそが、本のニセ金化です。出版社は返本分の返金を相殺するためだけに、本を
紙幣がわりにして刷りまくるという悪循環に陥っていくのです。
ソース
http://blogos.com/article/28375/(つづく)
2 名前:
@@@ハリケーン@@@φ ★[sage] 投稿日:2012/01/07(土) 11:20:33.74 ID:???
>>1のつづき
本章の冒頭で、本の出版点数は80年代と比べると3倍近くにまで増えているという数字
を紹介しました。「本が売れなくなっている」と言われているのにもかかわらず、これだ
け点数が増えてしまった背景には、実はこのニセ金化現象があったのです。
「本が売れない」「返本が増える」「取次に返金しなければならない」「だったら本を
とにかく出し続けて、返金で赤字にならないようにしよう」「ますます刷る」「ますます
売れない」「いよいよ赤字が心配」「だったらもっと刷ろう」……。
こういうバカげた自転車操業的な負のスパイラルが延々と繰り返されて、無間地獄に
落ちていっているのがいまの日本の出版業界なのです。
<中略>
実は、ここまでの話は、1年半前に書いたものです。
これを1年半前にはあまり意識していなかったのですが、大手出版社が新刊書の「電子
書籍化」に対して消極的な理由のひとつに、電子書籍では、この「本のニセ金化」が不可
能になることもありそうです。
電子書籍を「読者が買った分だけ配信する」ようになれば、当然ながら「あらかじめ
余計に刷っておいて、その分のお金を先に受け取る」ことはできません。
「売れた分だけ儲かる」というのは合理的ですし、資源の節約という意味では、紙の
本より電子書籍のほうがメリットが大きいはずなのですが、「それでは困る」という、
自転車操業の出版社もあるのでしょう。
しかし、日本の国債と一緒で、「いま、お金がないから」といって、買う人もいない
ような本を刷り、未来の「借金」を増やし続けるような組織に、バラ色の未来が期待でき
るでしょうか?
出版社も、まだ、内部に資産が残っているうちに、少しでもはやく「リセット」して
しまったほうが、身軽になれるはずなのに。
実際にそれを行うのには、ものすごく勇気がいるでしょうし、もしかしたら、それが
可能なくらいの資産は、もう残っていない可能性もありますが……
電子書籍というのは、「本を必要な人に素早く届けることができて、ロスが少ない」
という大きなメリットがあります。
ところが、「まともな商売をしたら困ってしまう構造」を、いまの出版産業はつくり
あげてしまっているのです。
<以下略。省略部分はソース参照>
-以上-
54 名前:
名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2012/01/07(土) 13:01:34.30 ID:8L1uvIfq
自転車操業じゃん。122 名前:
名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2012/01/07(土) 15:18:39.85 ID:zpeiilQg
この話が本当だとすると、ある時点を境に出版社がバタバタ倒れるな
10 名前:
名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2012/01/07(土) 11:35:53.67 ID:u47NATZx [1/2]
>>1
面白い
書店に山積みになってる本は、つまり札束なわけだ
これを全部一旦精算したらものすごい資産減になるから山積みの量は減らせない
仕入れ値2000円の本も製本原価は100円かもしれんからな
22 名前:
名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2012/01/07(土) 11:50:37.69 ID:W5Cvjjh6 [1/2]
>>1
知ってたよ。つうか雑誌なんかに記事書いてるやつなら分かってるだろ。
何で売上(消化)部数じゃなくて「発行」部数を伸ばさなきゃいけないのか。
アマゾンとの電子書籍の契約でごねてる出版社なんか100%自転車操業だぞ。31 名前:
名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2012/01/07(土) 12:00:56.64 ID:WoujbcKm
というか取り次ぎ会社ってなんでそんなに金があるんだ。
出版社なんて零細だらけだろ。そんなに貸し込んで大丈夫なのか?
35 名前:
名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2012/01/07(土) 12:08:42.82 ID:UxfFtF/X [4/6]
>>31
全部が一斉に倒れるわけじゃないから、3%とか8%とかの貸倒引当金を積めば充分、という発想みたい
出版社も、ベストセラーが出ると不良資産&負債圧縮に動くしね
36 名前:
名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2012/01/07(土) 12:08:58.82 ID:0YIPoPi5 [1/4]
つうか欧米でも積極的ではないし
電子書籍の売り上げなんて欧州はゴミだし
米国でも大したことはない
前提から間違ってる
60 名前:
名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2012/01/07(土) 13:15:57.22 ID:dXFcH3MW [1/2]
全く売れないような学術本とか
市場(本屋)で全く売れなくても
取次が某公共施設に買取らせるので
某公共施設の数分は何とか捌けるので
売れないが為になる学術本も出せるわけだが
電子書籍だと、全く金にならない
64 名前:
名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2012/01/07(土) 13:27:11.15 ID:OtOQLG9D [2/3]
>>60
だな。そもそも日本みたくいろんな本があることを当たり前と思ってる連中が大杉。
出版にさまざまな問題はあるがだからといって欧米のような合理性を持ち込めば
無難な内容か売れている本の二番煎じしか出版しなくなるんだよ。
売れないけどマニア向けの本なんて絶対に出せない。当たり前のことだ。
たとえば最近のマンガがつまらないとかって意見があるけど
昔は人気がなくても編集者が面白いと思った作品が何本も掲載されてた。
ところがマンガが売れなくなって編集部が売れそうな作品しか掲載しなくなった。
結果、人気作品の模倣みたいなのばっかになってる。だからつまらない。
欧米の出版システムを有り難がってる連中は現地の実情を見てみろと。
売れそうな本しか出版できない状況がどういう結末を生むかよくわかるっての。
67 名前:
名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2012/01/07(土) 13:32:25.95 ID:hGZWNJQq [1/2]
>>64
電子書籍みたいな形に移行する事によってコストがかからなくなり
ロングテールに対する供給の幅が増えるっていう
あなたと正反対の主張が多いけどな
76 名前:
名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2012/01/07(土) 13:39:52.54 ID:M4+yVjjf
>>67
金にならんよ
89 名前:
名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2012/01/07(土) 13:50:34.39 ID:Z0s0cCLg [1/2]
週刊○○みたいなクソ高い分冊百科が大量に創刊されてる理由も
短期間で一気に金になるからなんじゃないのかな90 名前:
名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2012/01/07(土) 13:51:42.81 ID:1BC2S0ZZ [2/9]
>>89
ムック本なんかもそうだが、どーだもいいような作りになってて、印刷費は安そうだわ
しかも中身は他で使った物の再録や寄せ集め、そのくせ金額は高いと来てる……
249 名前:
名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2012/01/08(日) 08:14:18.83 ID:OTuASu2P
本を増やしていくから取次ぎの倉庫は一杯になるだろ。
251 名前:
名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2012/01/08(日) 08:20:14.23 ID:Md8rVMCt [1/2]
>>249
倉庫はどんどん増床してるというか、してきた
最近は流石にペースが落ちてるんじゃないかな
258 名前:
名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2012/01/08(日) 09:04:51.03 ID:ltpSAQ7w
出版社に返品された大量の本は資産として勧請されるので税金がかかる。
では,なぜ出版社は涼しい顔で在庫を増やしているのか?
259 名前:
名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2012/01/08(日) 09:08:26.40 ID:kGTWa8Wq [1/2]
>>258
返本なんか片っ端からつぶしてるから、税金なんか1円もかかってないよw
260 名前:
名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2012/01/08(日) 09:11:45.41 ID:P/+Yt/ok
ここの書き込みを読むと>>1の中に、ウソやデマや妄想が入ってるらしいが、
どれがウソ、妄想でどれが真実か、誰か整理してくれないか。
263 名前:
名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2012/01/08(日) 09:27:25.13 ID:kGTWa8Wq [2/2]
>>260
売れないから出版点数を増やしてるってのは嘘。
本をつぶすコストもタダじゃないから出版社も返本を喜んでるわけじゃない。
今は売れ線作家でもなければ初版は5000はおろか3000以下なんてのもザラ。
それでいて初版1万が当たり前の時代と同じだけの収益を上げたいなら
自動的に出版点数が増える、ただそれだけのこと。
電子書籍は1万部売れても1部も売れなくても初期投資は同額。
にもかかわらず海賊版が出るリスクはベストセラーほど高いという矛盾。
だいたい紙本主体の今でさえ、村上春樹なんて発売翌日には中華サイトで全文読めるし。
電子書籍化して困るのは出版社じゃなくて作家。
印刷部数+実売数に印税を掛けて出版社と交渉してるのに
電子書籍化されると印刷部数による手取りは当然ゼロ、しかも実売数はブラックボックス化。
金銭交渉が出来なくなった作家は短期的に食えなくなるのでフリーで出す。
それが常態化して初めて出版社の首が締まる。
295 名前:
名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2012/01/08(日) 15:33:00.34 ID:9oXgmx/b [1/2]
年間8万点くらい出版して8億部くらい売って、5億部くらい返品されて捨てるんだっけ?
元スレURL:http://anago.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1325902785/
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