1 名前:
オムコシφ ★[] 投稿日:2013/06/22(土) 11:17:50.89 ID:???
アニメ2期も大きな反響を呼んでいる伏見つかささんの『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』。
6月に発売された12巻で物語が完結したが、著者の伏見つかささんに今の心境を吐露してもらった。
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』12巻
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』――電撃文庫から出ている伏見つかささんの作品は、間違いなく今の電撃文庫を代表する作品の1つといってよいだろう。
そんな「俺の妹」、6月7日に発売された12巻で物語が完結したが、勢いはとどまるところを知らない。
4月から放送されているアニメ第2期は、第13話までテレビ放映、第14話から第16話は8月18日に全世界同時公開予定で、多くのファンがそれを待ち焦がれている。
そんな『俺の妹』の著者、伏見つかささんと、アスキー・メディアワークス電撃文庫副編集長で同作品の担当編集である三木一馬さんに今の心境を聞いた。
桐乃の想いをなんとかしてやりたかった
―― 最終巻となる12巻が6月7日に発売されて、足かけ5年となる物語が完結しましたね。
ご自身のこれまでの作品の中でも一番長期連載となった作品だと思いますが、書き終えられたいまの心境は?
伏見 どちらかというと発売日を迎えた感想になってしまいますが、やっぱり寂しいです。
書き終えた後はとにかく“安心した”という気持ちが大きくて。
かなりの難産でしたし、アニメでも最後までやるということで、完成させなくてはというプレッシャーが非常にきつかったです。
そのプレッシャーをこれからは感じずに済むんだなという安心感が当時は強かった気がしますが、いまはとにかく寂しいです。
やっぱりこみ上げてくるものがありますし、読者の皆さんからの感想がとにかくうれしいです。
―― 12巻で完結というのは、早い段階からご自身の中で決められていたんですか?
伏見 はい。ある程度結末は考えてはいました。
12巻で終わるだろうと具体的に固まってきたのは、アニメ第1期のBD特典映像を作っていたころのようです。
最近、BD特典を見なおしてみたら、京介がまさにそのとおりのことを言っていて自分で驚いてしまいました(笑)
―― すでに最終巻を読まれた読者には既知の結末になるんですが、エンディングに向けての展開はどういう風に決めていったんですか?
伏見 ゲーム(編注:俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル)の脚本を書かせていただいた影響が大きいと思います。
IFではあるものの「俺の妹」のさまざまな形のエンディングを書いてみて、桐乃の想いが完全に報われる結末が(IF設定の力を借りなければ)ひとつもなかったんです。
普段表には出さないし、いろいろな事情があって、分かりやすい形で書いてあげることもできないけれど、彼女がとても主人公のことを想っているのを、僕は知っていたので、何とかしてやりたかった。
ここまで踏み込むのを決めたのは、それがきっかけです。
―― 作者として女性キャラクターの中で一番ご自身が愛情を注いでいるキャラは?
伏見 最終的には桐乃になってしまいましたね。
最初桐乃はムカつくキャラクターとして生み出したもので、僕自身も嫌いで、主人公と同じように見ていたところがあったんです。
第1巻から、彼女の秘められた恋心を設定して、少しずつ描写してきたのは、嫌いなヒロインを何とか魅力的に書こうと苦心した結果でもありました。
それが、ストーリーが進むにつれて、積み上げてきた描写が効果を発揮し出して、
桐乃を好きだといってくれる方がどんどん増えてきて……本当にうれしかったのを覚えています。
とても恵まれたアニメシリーズで、スタッフには感謝してもしきれない
―― 4月からはテレビアニメの2期も放送されていて、ちょうどいいタイミングで最終巻が出るという流れになった印象ですが、これはあらかじめ意識されていた動きなんですか?
伏見 原作が終わるタイミングは、僕がある程度自分勝手に決めたので、偶然の部分が大きいのではないでしょうか。
それでも完全に一致したわけではなく、読者の皆さんを少なからず待たせてしまったことは、本当に申し訳ないし、いまだに悔しいです。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1306/20/news020.html※続く
2 名前:
オムコシφ ★[] 投稿日:2013/06/22(土) 11:18:29.27 ID:???
>>1の続き
―― アニメに関していうと、第13話まではテレビ放映し、第14話から第16話は、
8月18日13時(日本時間)に全世界同時で公開(編注:日本では『俺の妹』公式サイト、ニコニコ動画、dアニメストアで公開)するという、
アニメの作り方としてはまだ珍しい方式ですが、その辺りのご印象はいかがですか?
伏見 とても恵まれたアニメシリーズで、柏田プロデューサー、神戸監督をはじめ、アニメスタッフの方々には感謝してもしきれません。
原作を最後までアニメ化するには、テレビ放映枠だけでは絶対に無理なことが最初から分かっていたので、今回のような変則的な形でのリリース方法はありがたいことです。
―― アニメ2期の盛り上がりは何が要因だとご自身でご想像されますか?
伏見 やっぱりアニメスタッフの力じゃないでしょうか。
原作が良いから良いアニメになるというものでもないですし。
『本気で作っていただいている』というのは、現場の空気で感じ取れます。
僕はひたすら、足手まといにならないようにするので精一杯でした。
作品の内容の自由度の高さがバラエティに富んだ展開を可能に
桐乃と黒猫の設定を生かした“お仕事”依頼もひっきりなし(画像は『俺の妹』原作公式サイトより)
―― 先ほど完結して「安心した」というお言葉もありましたが、作品のメディアミックス手法も多様ですよね。
例えば企業広告のキャラクターとしての展開だったり、ブルーレイの一巻では書き下ろし小説が付いていたり、ニコニコ連載小説で展開されている『超電磁砲(レールガン)』とのコラボなど。
こうした取り組みはどういった目標を掲げてされているんですか?
伏見 さまざまなコラボのお話を、ありがたいことに各方面からいただいていて、
どんどん大ごとになっていくなぁ、もう止められないなぁ、と僕自身は思っています。
三木(担当編集) 作中が時世に沿ったというか最新のネタを結構取り入れたりとかして、
そういう意味では廃れていくというか、色あせていくリスクがあるんですが、一番最初に「それは気にしないでいこう」という話を伏見さんからも仰っていただいていて。
メディアミックス展開をしていくときも作品によってはあまりできないようなものもあるんです。
でも『俺の妹』は、そもそも話の内容自体が今風にちょっと好き勝手にやっているものだったので、「こういうことはできない」というメディア展開がこの作品にはあまりなくて、大変バラエティに富んだ展開ができたと思います。
作中のキャラクターがモデルになっていろんな企業の広告塔になるなんて、あまりいい印象を持たれない方もいるんですけど、桐乃はそもそも(作品の中で)モデルだし、いろんなものを紹介していくようなお仕事をやっているから、だとしたらいいんじゃないかとか。
作品の内容の自由度の高さがあったのかなという気はしましたね。
~中略~
―― いま、マンガや表現に関して動向が注視されるものがありますよね。
例えば児童ポルノなどもそうですが、出版業界の動きで気になるものはありますか?
伏見 僕が好きで、面白いと思うものが、規制される世界にはなってほしくないと思います。
―― では最後に、作品のファンに向けたメッセージをいただけますか。
伏見 最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
皆さんがいたから、5年間、書き続けることができました。
何度感謝しても足りません。「俺の妹」という作品で生まれたキャラクターたちを、ひとりでも好きになってくれたのなら、嬉しいです。
これから新作に取りかかっていきますが、桐乃たちに負けないような魅力的なキャラクターを生み出してみせます。
いつか彼らが、皆さんと出会う日を、楽しみにしております。
※以上