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スコティッシュフォールド(WiMAX)[] 投稿日:2013/02/11(月) 11:46:33.74 ID:pFp/OHUY0 ?PLT(12021) ポイント特典
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明治時代、全国各地を歩いて膨大な量の怪異談を収集し、「妖怪博士」「お化け博士」と呼ばれた井上円了、
初の評伝である。といっても、オカルト学者や神秘主義者ではない。その真反対。
哲学者円了は非合理的な迷信や言い伝えの撲滅に生涯をかけた。
文明開化の世、怪異な現象は妖怪のしわざと信じられていた。合理的思考をめざす哲学普及のためには、
世にはびこる迷信を打破しなければ。円了は狐憑きやコックリさんをはじめ、オカルト現象の科学的解明に挑む。
行動力がけた外れだ。東大哲学科を出て、東洋大学の前身である哲学館を独力で創立。
寺院や教団を否定して仏教改革に奔走する。資金調達のために全国を講演して回ること延べ3600日。
各地に伝わる不思議現象の聞き書きをまとめた著書は計2600ページ。学校では妖怪学を講義し、
妖怪の絵も数多く収集した。ほとんど非合理なまでの情熱である。
次々と現れる「敵」の顔ぶれがまたすごい。民間信仰を重視した柳田国男、怪談を得意とした三遊亭円朝、
幽霊話を書いた泉鏡花、ラフカディオ・ハーン。現代に至って、円了をマンガに描いた水木しげるも登場する。
翻って現代は、占い人気にスピリチュアルブームと、円了の尽力虚しく不思議大好きの時代だ。
そして円了の跡を継ぎ、著者が東洋大学で教える妖怪学の講義がまた大人気だという。
擁護派も否定派も、みんな妖怪やお化けが気になって仕方がないようだ。まるで憑かれているみたい。
http://www.47news.jp/EN/201302/EN2013020501001738.html