9 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 02:03:41.99 ID:LJ0qFguEO [3/20]
男「ちょっと聞いてくださいよマスター」
女「はいはい聞いてますよ」
男「昨日、仕事帰りに久々に本屋寄ったんですよ本屋。何かいいSFでも無いかなーと、駅構内に付属してるタイプのあそこですよ」
女「はぁ、それで」
男「そりゃ一面丸々使ってくれる本屋なぞある筈無いのはわかってます、だからって、ハヤカワ文庫の本が置いてないって話しがありますか!」
女「だって誰も読まんしねー」12 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 02:09:19.63 ID:sBPQYIR1O [2/2]
ていうかこれハヤカワさんじゃねーかwww14 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 02:11:08.85 ID:LJ0qFguEO [4/20]
女「SF、お好きなので?」
男「全力で大好きですよ、文庫で400冊は超えましたね。」
女「はぁ、それはそれは」
男「フフン、悪訳本や続きモノの癖に途中から出された本にもめげずに読み漁りましたよ」
女「読書家なんですねー」
(女「私は家が傾いたんだけどね………」)17 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 02:21:21.01 ID:LJ0qFguEO [6/20]
女「SFですか、どんなのがお好みで?」
男「やっぱりスペヲペですよ。星界、ダーティペア、銀英伝………ああ、デーヴは続き書かないのかなぁ」
女「彷徨える艦隊なんかは如何でしょうか、中の人が軍人なだけあっていい仕上がりですよ」
男「………おばはんとオッサンの痴話喧嘩を延々と描写させられてもねぇ」
女「フムン、では銀河乞食軍団など如何でしょう」
男「あーすいません、まだ読んでませんね。マイナーな本ですね。どこのレーベルですか?」
女「いやあ、レーベルもマイナーなものでして、探しても見つからないかと」
(女「………大元帥知らないのにSF者気取りか、にわかめ」)19 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 02:28:21.14 ID:LJ0qFguEO [8/20]
男「ところで話は変わりますが、センスオブワンダーってあるじゃ無いですか」
女「SFであるための必要十分条件の事ですね」
男「えっ」
女「えっ」20 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 02:37:13.73 ID:LJ0qFguEO [9/20]
女「ところで、何か注文なさらないので」
男「え、ええ。それじゃぁこの、[軍神スペシャル]とかいうのを1つ、それとナッツを」
女「はい、少々お待ち下さいな」
(男「バーの名前が「軍神」かよ………変な店入っちゃったかな………」)
女「お待たせしました。軍神スペシャルにピーチと豆になります」
男「あれ、ナッツって僕は………」
女「ピーチと豆になります」
男「………」
(男「………まさかのOVA版雪風!」)21 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 02:46:44.56 ID:LJ0qFguEO [10/20]
女「ああ、お客様、当バーは只今から30分で終わりになりますのでご了承下さいね」
男「あれ、まだ宵の口ですよ。それに24時間営業って看板にあったでは無いですか」
女「ええ、確かに24時間営業はしてます。但し、それとあなたがバーに居られることはイコールではないのです」
男「よくわかりませんが、どうにかなりませんか。私はどうしても帰れない理由があるのです」
女「どうしても?」
男「どうしても」
女「………フムン、ま、いいでしょう。ただし、この後店内で何が起き、何を見ようと、他言無用でお願いしますよ」
男「助かります。が、何を見ようとというのは………?」
チリンチリン
女「ああ、説明の手間が省けましたね。ようこそ、[軍神]へ」27 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 03:54:34.01 ID:LJ0qFguEO [12/20]
客「10001101100101」
男「……なんなんでしょうか、こちらの球体関節スキンヘッドな方は」
女「100110101000111011001、駆除系さんですね。1001」
客「100101」
女「100010」
客「00101101001w」
女「100011010w」
客「0010w101w1wwww1wwwww0wwwww1wwww1wwwww0wwww」
女「10www111w」
男「楽しそうに談笑?していらっしゃる………あ、帰ってった」チリンチリン
女「………ふう、駆除系相手の会話は疲れます」
男「一体何を会話していらっしゃったので………」
女「セーフガードの思考は非常に異質です、あなたに理解は不可能ですよ」
男「………又誰か来ましたね」チリンチリン28 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 04:02:11.32 ID:LJ0qFguEO [13/20]
男「1つ質問があります」
女「何でしょうか」
男「こちらにおられる方はなんでしょう、いや、これはなんでしょうか。この矢尻型の白銀に光る全長数百mを超える物体は」
女「ああ、刑事さんですね。うちの常連さんですよ。チッ」
客「チッ」
男「舌打ちに舌打ち!?……あ、帰っていった」
女「高速言語ですよ。このあたりに海賊が逃げ込んだらしくて、捜索してるそうです」
男「あんなのが刑事なんですか………ところで、どうやって彼はあの狭い扉を通ったんですか?」
女「認識とは常に曖昧なんですよ」31 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 04:16:11.75 ID:LJ0qFguEO [14/20]
男「変わったお客が来るんですね、このバーは」
女「そうですか?まだ相手に何らかの意志があるとわかるうちは大して変わりませんよ」
男「というと、意志疎通できない客もくるんですか」
女「ええ、例えば………あ、ちょうどいい所に」チリンチリン
男「人工衛星ですねぇ」
女「はい、人工衛星です」
男「人工衛星が何故バーに?といいますか、どこの人工衛星ですか?」
女「それがわかったら苦労しませんよ。意志疎通できない相手ですもん」
男「あ、進路変えましたね。フライバイみたいな動きですね」
女「ええ、フライバイですね。けど、いつもフライバイだけしてどっか行くんですよ。ほら」
男「あ、出てった」チリンチリン
女「沈黙したままフライバイだけして出てくんですよ。別にここが一番効率的な点てわけでもないだらうに」32 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 04:21:15.00 ID:LJ0qFguEO [15/20]
男「さっきから人外のお客さんばっかりですが」
女「人間の定義はどうなんですか」
男「もとい、地球人以外ばっかりですが」
女「地球原産生命が火星で増殖したら火星人?」
男「もとい、地球型生命体以外ばっかりですが」
女「同時期に同種の生命体が別に発生しないと、どうして言えるのでしょうかね」
男「………遊んでますね?」
女「遊んでます」34 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 04:34:54.92 ID:LJ0qFguEO [16/20]
男「だからといって、猫耳で日本語まんましゃべってる宇宙人とかは無茶だと思うんですよ」
女「素数信号を送る前に、あそびにいくヨ!と送るとかフレンドリーにも程がありますな」
男「もっとこう、色々な困難の末にたどり着いた相互理解とか無いんですかね」
女「そもそも相手がそこに居るとして、我々と相互理解したがる保証はどこにあるのですか
自然環境の1つとして片づけられてもおかしくないですよ?」
男「それじゃあまりに夢が無い」
女「現実は常に非常です。ひょっとしたら、地球以外に知的生命体は居ないかもしれませんしね」
男「無いのなら、作ってやろう異星人」
女「ハビタブルゾーンに有機物でもばらまくので?」43 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 14:32:20.95 ID:LJ0qFguEO [18/20]
男「日本SF作家と言えば、筒井、星、小松、神林などがありますが」
女「微妙に偏ったチョイスですね」
男「ハードなSF作家さんは少ないように思うのです」
女「ハードSFとかSFヲタの中のごく一部しか食わんゲテモノですもの」
男「少し不思議の略称として、SFを用いるならまだしも」
男「サイエンスのサの字も無しに、サイエンスフィクションとかどうなんですか」
女「サイエンスが何かを理解してる極少数に、迎合しても売れんのですよ」44 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 16:04:13.31 ID:LJ0qFguEO [19/20]
女「センスオブワンダーとか言いますが、読者がワンダーを感じられるか否かには、ずいぶんとあいまいな点がある様に思うのです」
男「時代性とか有りますな」
女「2001年宇宙の旅を、2010年に読んだって、模倣作品が溢れてて、新鮮味なんてありゃしませんもん」
男「ですが、面白いものは面白いでしょう?だからこそセンスオブワンダーの名作として未だに刷られてるのですよ」
女「それは出来の良い作品だからであって、センスオブワンダーに依るものではありませんよ」
男「つまり、同時代の作品を読む事によってだけ、センスオブワンダーを感じられると」
女「その通り。さあ、巨匠の作品なぞ投げ捨てて、現代SFを読みあさりましょう」
男「ずいぶんと偏狭な方ですな」
元ネタ把握しきれん……
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