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日本SF大賞候補作「魔法少女まどか☆マギカ」 各作家の選評  

815 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2012/01/27(金) 20:56:38.63

89 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/01/26(木) 22:27:58.99 ID:5ef14vkM0 [1/15]
こんばんは。そして>>1乙

SF大賞の選評が読みたくて、読楽2月号を買ってきた。
以下、選考委員全員のまどか選評を投下。長文御免。

(参考のため、各選考委員の生年を併記)

(選評その1)

冲方丁(1977生)

>『まどか☆マギカ』においては、定型ジャンルの方程式を前提としつつ、
>常にそれを裏切ることで期待感を確保しつつ、
>衝撃的な真実の暴露においてSFガジェットをふんだんに盛り込み、
>個人と世界の救済を等価値に設定するアニメらしさを失わず、
>冒頭からの「願い事」といキーワードを巧みに織り込み、
>ラストでカタストロフをもたらす存在を、カタルシスをもたらす存在へと変貌させる、
>変調構成にきわめて優れていたと感じます。
>しかし個人的には、「神」をいかに語るかという点で、
>「概念」「シフト」といった別の言葉への置き換えが目立ったと感じました。





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816 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2012/01/27(金) 20:57:32.78

91 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/01/26(木) 22:28:21.45 ID:5ef14vkM0 [2/15]
(選評その2)

貴志祐介(1959生)

>今回、最も頭を抱えた作品が、『魔法少女まどか☆マギカ』だった。
>アニメーションに関する知識が乏しいために、先行作品との比較や、
>技術的な評価が難しかったからである。
>しかし、『鉄腕アトム』など日本のアニメーションの草創期に脚本を書かれた豊田有恒さんと、
>現在のアニメに詳しい冲方丁さんに、大いに助けてもらった。

>魔法少女ものというジャンルがあることを初めて知ったが、その枠組みを裏切るダークな展開と、
>異世界での戦闘に現代絵画のような表現を用いたのは面白かった。
>残念ながらSF大賞の選は漏れたが、すでにカルト的な人気を博している作品であり、
>いささかも、その評価を貶めるものではないだろう。




95 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/01/26(木) 22:28:44.34 ID:5ef14vkM0 [3/15]
(選評その3)

豊田有恒(1938生)

>『魔法少女まどか☆マギカ』
>アニメの創成期に、『エイトマン』『鉄腕アトム』など、
>多くのSFアニメのオリジナル脚本を執筆した選者だが、
>七十三歳にして、いまさら少女アニメと、感性が合うものかどうか、はなはだ疑問だった。
>ところが、そんな疑問は、見はじめたとたんに、消しとんだ。
>多くの魔法テーマのアニメを見ているが、一ひねりも二ひねりもしてあり、
>あっという間に十二話、すべて面白く観られた。
>ただ、九話目になって、はじめてSFになる。
>最後は壮絶である。後味が良くないのは、時代の風潮なのだろう。




817 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2012/01/27(金) 20:59:21.05

98 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/01/26(木) 22:29:12.84 ID:5ef14vkM0 [4/15]
(選評その4)

堀晃(1944生)

>日頃テレビを見ないので、連続アニメとして放映された『魔法少女まどか☆マギカ』
>について正しく評価できるか心許ない気分だったが、DVDで見はじめると、
>たちまち引き込まれ、六時間を没頭させてくれた。
>世界の命運が平凡な市民に託されるという設定はSFでは古典的だが、
>本作の骨格はさらに古典的で、主人公は「さやか」であり、
>家族や恋人のために苦界に身を沈める少女の、自己犠牲の物語と受けとめた。
>その分、最後二回のSF的解釈(因果律の組み替えなど)がやや弱く、
>SF作品としての感動とは別のものが残った。




818 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[] 投稿日:2012/01/27(金) 21:01:39.91

102 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/01/26(木) 22:29:37.35 ID:5ef14vkM0 [5/15]
(選評その5・終)

宮部みゆき(1960生)

>十二話で構成されているアニメーション『魔法少女まどか☆マギカ』は、
>お預かりしたときには戸惑いました。
>少女だった時期は遥かに昔、五十路に入って、しかもアニメ作品には疎いこの私が、
>今さら魔法少女についていかれるものだろうか。

>いざDVDを観始めたら、そんな戸惑いは吹っ飛んでしまいました。
>映像のクオリティに驚き、一話目で早々と登場する〈魔法の結界〉の
>イメージの奇抜さと美しさに目を瞠り、
二話、三話と観続けるうちに、健気な魔法少女たちに魅了されてしまいました。
>これから観る方のために細部を記せませんが、
>この作品はよき企みがあるミステリーとして幕を開け、
>それぞれに自己実現を希う少女たちの友情物語として進行し、
>終盤でミステリーの謎解きのために用意されていたSF的思考が披露されるという、
>実に贅沢な造りになっています。

>選考会でも記者会見でも、私は「十一話と十二話でだだ泣きしました」と申し上げたのですが、
>後でチェックしてみたら、最初に泣けてしまったのは第七話でした。
>それは別に、私がかつて不器用な少女であったからではありません。
>「誰かの幸せを願った分、別の誰かを呪わずにいられない」。
>作中で繰り返されるこの言葉は、見事に人間の業を言い当てています。
>それが、年齢性別を問わず、観る者の心を揺さぶるのです。
>今回、小説の方に桁違いの傑作があったことで損をしてしまいましたが、
>私には忘れがたい作品でした。




820 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2012/01/28(土) 08:51:36.45
冲方以外のおっさん、おばさん、爺さんたちが、見る前は不安だった。
でも観たら面白かったって口を揃えて言ってるなw 
まあ気持ちはわかるが。
冲方と同世代の俺も、SFとして面白いって聞かなければ、まず観なかっただろうし。

しかし、豊田先生は、相変わらず、頻繁に、句読点を、つけるねえ。


821 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2012/01/28(土) 09:16:34.51
豊田先生は漫画家志望だったが絵が描けなかったんで小説家になった とか先生の著作にかいてあるな。
同時期デヴューの平井和正の文章力と比べて、我が文章力のなさに絶望したらしい。
手塚治虫先生のもとでアトムとかのアニメシナリオの修行。TVアニメ創世記からアニメには縁が深い。
現在のTVアニメの状況も興味深く見ておられることであろう。


823 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2012/01/28(土) 18:27:23.05
みんな割と長所も短所も的確についてる辺りが流石だなあって思う。


826 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2012/01/29(日) 10:14:19.92
ただすでに魔法少女というジャンルが解体されていわばコンセプトの実験場と化しているという
点は認識してない人が多いね
>>793と同じだ
その点は決してパイオニアでもチャレンジャーでもないから過大評価


793 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2012/01/13(金) 00:06:44.80
『まどか★マギカ』はそもそも最大分母に向けて作られてはいない。現在も連綿と続いている所謂「日常系」は
『らき☆すた』の出現を以って初めて昭和的記号の羅列との訣別を果たしたが、同時に記号化された日常の更新にも寄与した。
以来、京アニが成功したビジネスモデルの敷衍として送り出した『けいおん!』が予想以上のヒットに至ったのも周知の通り。
それを分析した上で『まどか』はほぼ全てにおいて、逆をやった。この物語は意図的に記号化された日常から始まるが、
それは変貌し、破壊され、終了するための日常だ。だから結果的に全編に通底するテーマは「根拠のない日常」の脆弱さと、それに直面する
キャラたちの抵抗と積極的な変質、という事になる。これは幾多のビルドゥングスロマンの変奏としては王道だが、
斬新だったのはこの数年でフォーマットが完成していたアニメ的日常とそれを予想、あるいは期待していた(俺を含む)ヲタの
拒絶や否定を覚悟した上で裏切った点だ。
多少なりともニトロプラスと虚淵について知ってれば、この連中が創る「魔法少女」が無事に済む筈がない、という予感はあったけどなw
作品に対する評価も解釈も未完だが『まどか★マギカ』はいくつかの条件と了解、さらに先入観までも必要とするが、紛れもない傑作だ。
「魔法少女」というここの住人の殆んどにとっては含羞を込めたノスタルジーでしか語られる事のない、役目を終えたアイコンを
一時的にせよ復活させた、という意味でも。

俺にはタイトルの★が『らき☆すた』への異議にも思えるよ。

以上、あるアンチの群れと戦うのに使った駄文のアレンジ




827 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2012/01/29(日) 19:14:38.97
80年代のロボットアニメの放散拡大と同じだよな
むしろ正統派の魔女っ子もの作った方が目立つかも


831 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2012/01/30(月) 10:49:35.35
魔法少女というジャンルはロボットアニメほど開拓されてなくて
まどかで幅を広げられた、とは岩上Pの言
>>826とは正反対の意見だね


833 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2012/01/30(月) 19:13:19.24
ロボットアニメは殆ど開拓されつくしてしまい焼き直しの縮小再生産ばかりだが、
魔法少女アニメは現在開拓中、そんな印象があるな。


834 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2012/01/30(月) 19:19:07.67
売り手側プロデューサー「まどかで幅を広げられた」

意見じゃなくてセールストークだね


837 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2012/01/30(月) 22:57:08.38
>>834
つか、そもそもまどかの監督自体がなのはで魔法少女物の伝統を
破壊した戦犯、もとい功労者の一人なのにw






元スレURL:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/sf/1306953515/
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[ 2012/02/03 09:10 ] SF | TB(0) | CM(1)
全員SFとして見たらしょぼいって感じだな
[ 2012/02/16 17:11 ] [ 編集 ]
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