1 名前:
◆GinGaOoo.. @銀河φ ★[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 19:03:52 ID:???0
悪たれと純粋さと 『車谷長吉全集』が完結
小説の仕事とは、正気で風呂桶(おけ)の中の魚を釣ろうとすること――こう言い放つ作家、
車谷長吉(くるまたにちょうきつ)さん(65)の創作活動を集大成した『車谷長吉全集』全3巻(新書館)が完結した。
無能者(ならずもの)の文士・反時代的毒虫・贋(にせ)世捨人……過激な自称とは裏腹に、気づかなかった素顔が見えてくる。
■恋の絵手紙99通
小説、随筆、評論、〈私(わたくし)の全集が出る初雀(はつすずめ)〉という俳句など、ほぼ全著作を収める。
見どころのひとつは、哀切な「車谷長吉恋文絵(こいぶみえ)」だ。
車谷さんは18歳のとき、東京の雑踏で女子高生に足を踏まれた。
24歳でこの〈なをこちゃん〉に偶然再会し、恋いこがれる。
思いを絶ち切るため、34歳のとき、ほぼ毎日、99通の絵手紙を送り続けた。
2007年に兵庫県の文学館で車谷さんの文学展が開かれる際、
学芸員が彼女を捜しだすと、71通残っていた。「奇跡だ」と車谷さんは思った。
〈さみしい〉〈誰にも言えない〉〈ね、お願い、こちら向いてよ。あんぽんたん〉
〈だめだめきみにはあのひとに求愛する資格なんてないよ〉
水彩画に添えられたことばの中に、悪たれのイメージとはかけ離れた、優しく繊細で純粋な車谷さんがいる。
43歳のときから、後に結婚する詩人の高橋順子さんにあてた24通の絵手紙も切ない。
1通目に〈高橋順子詩集、三冊を借りて読んだ。孤独な生い立ちの木〉。
当時の日記には初対面の印象が〈弥勒(みろく)菩薩(ぼさつ)か観世音菩薩のような微笑をたたえた人〉とある。
その女人(にょにん)を今は〈嫁はんは臑(すね)に剛毛が生えた女である〉と書く。
もの書きの業は深い。
小説では、自殺した叔父を描く「鹽壺(しおつぼ)の匙(さじ)」(三島賞)など初期の私(わたくし)小説群と、
長編「赤目四十八瀧(あかめしじゅうやたき)心中未遂」(直木賞)が圧倒的だ。
恋文絵にみる女人崇拝の精神は、「赤目」にもうかがえる。この作品は純愛小説だという自負が車谷さんにはある。
(>>2以降へ続く)
■ソース:asahi.com(朝日新聞社)
http://book.asahi.com/clip/TKY201010110076.html2 名前:
◆GinGaOoo.. @銀河φ ★[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 19:04:08 ID:???0
(>>1の続き)
■「嘘つきの才能」
私小説の鬼と呼ばれるが、作品の多くは実は私小説ではない。
全集を編集した文芸評論家の三浦雅士さんは
〈車谷は驚異的な嘘(うそ)つきの才能を持っている〉と月報に書く。小説の語りは騙(かた)りに通じる。
奇人である。芥川賞の選にもれ、選考委員の人形(ひとがた)に五寸釘(くぎ)を打ちこんだ。
会社勤めのときは楽を嫌い、苦を求めて51階のオフィスまで階段で上り下り。庭のガマと戯れる。
文士になれなければ自決する覚悟で買ったという長ドスを抜き、
「人のことをさんざん書いたから、殺すぞと言うやつが大勢いる。
脅迫電話はないかと警官が月に3~4回来る。要警戒作家なんだ」。
かたわらには防弾チョッキ。あっけにとられてしまった。
17年連れ添う高橋さんに後日、尋ねると。
「何が本当で何が嘘なのか、私にもわからないときがあります。
警察は交番の方が、何かの調査で一度訪ねて来ただけですね。車谷はおびえています」
小説も、自らも、虚実皮膜の間(かん)にある。
名誉棄損で2度訴えられ、05年に私小説作家を廃業して以来、史伝小説などを書く。
手だれの作だが、すごみは薄れた。命を削るような小説は終わりですか。
「小説はあらかた書き尽くした。あとは卑弥呼と雪舟の2編だけ。
人間の偽悪醜(ぎあくしゅう)を追究し続けるのはつらい。
小説の仕事は罪深い、早く死にたい、人間ではいたくない……
本当言うと、小説をやめたい最大の理由は、嫁はんが『くうちゃん、長生きしてね』と、そればかり言うから」
「赤目四十八瀧心中未遂」を書いたときに強迫神経症を患い、今も治療は続く。
全集を読み終えたとき、〈ホラホラ、これが僕の骨だ〉という中原中也の詩句が聞こえた。(白石明彦)
(了)
5 名前:
名無しさん@恐縮です[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:07:27 ID:F19J3+EZ0 [1/2]
結局、こいつのネバネバした気質が好きか嫌いかだな。奇特な嫁もいたもんだ。
10 名前:
名無しさん@恐縮です[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 19:10:57 ID:4HJR+HlfO [2/3]
実際に本人見たことあるが無欲な坊さんみたいな雰囲気だった
人の内面はわからん
17 名前:
名無しさん@恐縮です[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 19:17:02 ID:blHaAODY0 [1/2]
メタ私小説家18 名前:
名無しさん@恐縮です[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:17:23 ID:zVSm331K0
この人の赤目四十八滝を読んだけど、本当にたいしたもんだと思ったけどなあ。
21 名前:
名無しさん@恐縮です[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:18:20 ID:6NhQ2KnW0
慶応卒のエリートと知った時はなんか白けた
22 名前:
名無しさん@恐縮です[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:19:36 ID:MmYgDKHS0
知らない奴多すぎだろ・・・
あらかた「私事」を暴露ちゃったからな。
もう削るものがないんだよ。だから私小説やめちゃったし。
死にたい、と思うのは当然の帰結だ。25 名前:
名無しさん@恐縮です[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 19:21:00 ID:L1DvPW3b0
そもそも車谷に芥川賞ならまだしも直木賞をあげた文壇自体がおかしい
26 名前:
名無しさん@恐縮です[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 19:21:51 ID:4HJR+HlfO [3/3]
それでも学歴コンプ凄まじいぞ
この人なら小沢一郎の内面を描けるかもな
27 名前:
名無しさん@恐縮です[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:22:50 ID:F19J3+EZ0 [2/2]
こいつ結構セルフ・プロデュースしてるぜ。つまり格好つけてる。
33 名前:名無しさん@恐縮です[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 19:26:10 ID:L2lR0/7VO
>>27
みんな分かってる
それでも言い続けてるほうが得なんだよ
日本の文学畑じゃきっと
35 名前:
名無しさん@恐縮です[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:35:10 ID:QGufJ3+a0
中二病だな
37 名前:
名無しさん@恐縮です[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 19:36:13 ID:VOz+q4QJ0
森博嗣じゃありえない発言。40 名前:
名無しさん@恐縮です[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 19:50:22 ID:H5/SMfky0
>>1を見て凄い変人を期待してwikiを見たら短くて>>1の方が詳しい位だった
ガッカリした
43 名前:
名無しさん@恐縮です[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 20:21:32 ID:On1FzTtx0
朝日新聞の土曜日の別刷り版、人生相談のコーナーを読むと、
相当な変わり者で面白い。
蓄膿症で二度手術したけど治らず、再々手術は、失明の恐れがあると知り、
承諾書にサインできず。
生まれながらに鼻では息が出来ないという話がよく登場する。
確かに、口呼吸は苦しいし、顔も独特の蓄膿顔になってくる。
弟さんも同じ病気で、60才近くなった現在も独身だとか。
44 名前:
名無しさん@恐縮です[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 20:32:14 ID:SmxmUqK90
普通に強迫神経症だか人格障害だかで精神病んでる人だよ。
文才無かったらとっくに野垂れ死んでるレベル
63 名前:
名無しさん@恐縮です[] 投稿日:2010/10/12(火) 02:42:54 ID:Z7jM2epm0
それこそ昭和の昔は車谷みたいな作家がいっぱいいたけど
今は職業作家ばっかりだね
82 名前:
名無しさん@恐縮です[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 12:09:32 ID:46dl6XC40
物書きという所業が鬱を呼びよせるのか
鬱だからこそ曲りなりに物書きがつとまるのか
いずれにせよ負のスパイラルだな
- 関連記事
-