794 名前:
名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2013/06/05(水) 05:36:32.27
トールキンとしての文献学者としての研究内容や業績について、ある程度詳しく紹介された
日本語の文章ってありますか?
見つかった中で一番詳しかったのがこれなのですが、イギリス文献学史の紹介論文なのに
やっぱり、トールキン紹介部分が、創作にも文献学的姿勢が反映していたよ、的な感じで
あまり本業については詳しくない…ttp://ci.nii.ac.jp/naid/110004852317
800 名前:
名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2013/06/05(水) 13:25:31.97
>>794
『或る伝記』は割とその辺の面についても文量割いてたと思うが、他はちょっと知らないなあ。
たまたま手近にあった忍足訳『ベオウルフ』(岩波)を見ても、
研究史のところで名前の言及はしっかりされてるので、日本のその方面で無名なわけではないとは思うが。
英語圏なら色々出てる気がするが、日本語だとその辺の断片を地道に見ていくしかないのかもしれん。797 名前:
名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2013/06/05(水) 12:22:17.93
トールキンって文献学者じゃなくて言語学者じゃなかったの?
801 名前:
名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2013/06/05(水) 13:47:20.61
>>797
教授は広い意味では言語学者linguistだが、
専門は古い文献/文学資料から古英語の様態を比較研究することなので、正確には文献学者philologist。
というか、リングィストとフィロロジストはどちらも言語学者と訳されることがある。
というのも、言語学linguisticsと文献学philologyの関係は歴史的にけっこう複雑で、
20世紀に入るまでは文献学が言語学の主流派みたいなところがあったから。
802 名前:
名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2013/06/05(水) 13:51:36.32
linguistって単に複数の言語を操るという意味じゃないの?
810 名前:
名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2013/06/05(水) 18:09:10.42
>>801
それ聞くと、トールキン教授が言語学者ってのはなんか違う気がするな。
俺の中では言語学って、なんか暗号とか数学に近い印象だ。
817 名前:
名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2013/06/05(水) 20:11:33.18
>>810
それはさすがに言語学観が少し狭い気がする
形式言語学とかチョムスキー系だけが言語学ってわけじゃないぞ。
比較言語学含む歴史言語学は文献学と言語学がオーヴァーラップしてる分野。
というか、文献学の中での言語の歴史的研究や比較言語学による語族の推定、
及び祖語分析を利用して逆に古文献の未詳語の意味を推定したり
あるいは臭い美型文字やヒエログリフの解読といった、歴史言語学研究を行なっていたソシュールさんが
言語の通時的(歴史的)研究だけでなく、共時的研究への方向転換を唱え、
話し言葉こそ言語の本体で文字化されたものはそのおまけだよね、的なことを言ったのが
言語学が文献学から独立したきっかけの一つ
アメリカでは、すでに当時、消えいく先住民の言語研究が重視されていて、非文献的研究も盛んだったので
綺麗に図式化はできないのだけど
819 名前:
名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2013/06/05(水) 20:21:01.20
文献学ってのは、”国語”を学問にしたものだって理解している。
文法や文字論から、”作者の気持ちを答えなさい”(解釈学?)や文学史といったものまでをやる学問。
さらに「国語」が国民形成教育であるように、文献学は「国民精神」の研究として
近代ナショナリズムの成立とも結びついているので、その意味でも「国語」っぽい。
ニーチェとかシュレーゲルとか右翼の大物的な人は文献学者出身が結構多い
日本では渡部昇一とか谷沢永一とかが文献学出身の政治思想家
トールキンもどっちかというと保守派だしね。
元スレURL:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/sf/1345905420/
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