世界の涯の物語 (河出文庫) (2004/05/01) ロード・ダンセイニ 商品詳細を見る |
エステルハージ博士の事件簿 (ストレンジフィクション) (2010/11/16) アヴラム・デイヴィッドスン 商品詳細を見る |
夜の翼 (ハヤカワ文庫 SF 250) (1977/07) ロバート・シルヴァーバーグ 商品詳細を見る |
≪ 毎年毎年増え続けて行く莫大な量の本を、国会図書館は何処に保管してるんだろう | HOME | 小説って基本的にお堅いイメージがあるからなのか、ギャグとか書いちゃうと、作者のイメージが途端にやわやわになっちゃうんだよな ≫
≪ 毎年毎年増え続けて行く莫大な量の本を、国会図書館は何処に保管してるんだろう | HOME | 小説って基本的にお堅いイメージがあるからなのか、ギャグとか書いちゃうと、作者のイメージが途端にやわやわになっちゃうんだよな ≫
光瀬龍「百億の昼と千億の夜」は、タイトルと冒頭でやられた
寄せてはかえし
寄せてはかえし
かえしては寄せる波の音は、何億年ものほとんど永劫にちかいむかしからこの世界をどよもしていた。
それはひとときたりともやむことはなかったし、嵐の朝はそれなりに、なぎの夕べはそれらしくあるいははげしく、時におだやかにこの青い世界をゆり動かし、つたわってゆくのだった。
寄せてはかえし
寄せてはかえし
かえしては寄せる海。かがやく千億の星々は波間にのぼり、夜明けの薄明とともに広漠たる波濤の果に沈む。
ことに暗い夜はかすかな流星が長い光の糸を曳いて虚空をななめに、ほの白い水平線のかなたに墜ちていった。その光は消えがたい残傷となって星々の間に記憶をとどめた。
星座はしだいにその形を変え、青い星に代って白い星が、橙色の星に代って赤い星がその位置をおそい、またゆずり合い、すれちがっては新しい形象を編み出していった。
寄せてはかえし
寄せてはかえし
かえしては寄せる波また波の上を、いそぐことを知らない時の流れだけが、
夜をむかえ、昼をむかえ、また夜をむかえ。