612 名前:
イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 00:56:19.45 ID:2wioZrox [1/2]
アニメ表紙で書かれてた北村太郎翻訳の不思議の国のアリスを立ち読みしてきた
最近のラノベの方がまだ読みやすい文章じゃね?ってレベルの翻訳がされていた
20年前だからこのレベルなのかと思ったが、多分関係ない筈
隣に乙一の本も置いてあったから立ち読みしたが、乙一のは安定して読めたな
613 名前:
イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 01:51:34.43 ID:CkC+UGgI [1/3]
>>612
その近くにおいてあった竹岡美穂カバーの幸福論を衝動買いしてきた
616 名前:
イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 02:07:13.73 ID:91iQEvOZ [2/5]
>612
北村太郎版は元は1987年発行だから20年どころか35年以上前、
文庫収録時に手を入れてなければ今とちょっと合わないのかもしれないが、
そもそも海外作品の翻訳ってのはそれ自体のあり方や方法が研究や考察の対象になるほどに、
色々な方向性があるし、特にルイス・キャロルの作品みたいに
言葉遊びやレトリックを駆使してるものは難しいんだろうね。
もちろん親しみやすく読み易くってのも訳本作るにあたっての大事な要素だけど、
一言一句を正確に置き換える事を優先してて独特の文体が形成されたり、
原作の雰囲気や作者のクセをなるべく残そうとしたり、
クセがあるんだと表現する為にわざと訳者が妙なクセを付けたり、
日本の何かに置き換えて伝えようとしたり要点は様々で、
そういうのは必ずしも読み易さと並立出来ない。
趣味でルイス・キャロルの色んな翻訳版を収集してる知り合いに聞いたことあるが、
北村太郎の翻訳版は確かにアクが強く賛否が分かれやすいのだとか。
(ちなみに彼のお薦めは福島正美だがこれも好みが別れるそうだ)
もちろん乙一みたいに取り込んで咀嚼してもう自分の作品みたいに書き下ろすのも有りだろうし、
それは最近のライトノベルを始めとしたテキストに親しんだ世代と合うのかもしれないが、
だからってその差をレベルの高低みたいな優劣として捉えて欲しくはないかなぁ。619 名前:
イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 08:06:50.84 ID:CCuSJ9aZ [1/3]
>>612
それ見たわ
古典文学の表紙をアニメ絵にして出すの流行ってるが
あざとい商売だね
621 名前:
イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 08:51:22.53 ID:1IXVRSKV [1/2]
吉田健一版
アリスは川べりで、お姉さまのそばにすわって、なんにもしないでいるのが、あきあきしてきました。
一、二度、お姉さまの読んでいらっしゃる本をのぞいてみましたが、それには、さし絵も会話も、入っておりませんでした。
「さし絵も会話もない本が、なんになるんでしょう」
と、アリスは思いました。
北村太郎版
アリスは、あーあ、つまんないなと思い始めていたんだ、土手に姉さんと並んですわってばかりいて、なんにもしないものだからさ。
一回か二回、姉さんの読んでいる本をのぞきこんでみたけれど、絵もなけりゃカギかっこでくくった会話もなくて、文章べったり。
「絵ぬき、会話ぬきの本なんて、どこがおもしろいんだよ」とアリスは、声に出さずにつぶやいた。
北村訳は正しいのかも知れんが、これが最初に出ていたら日本では流行らなかったろうな。
625 名前:
イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 11:18:23.94 ID:91iQEvOZ [3/5]
>621
何が受け入れられ易いかなんて時代次第じゃないかな。
下記の初期の翻訳版はそれぞれ当時かなり売れてるよ。
丸山英観訳(たしかこれが日本最初)
『愛ちやんの夢物語』明治43年発行
(この頃の翻訳は親しみ易いように登場人物を日本名にしてた)
↓ここで全部原版を画像で読める
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/896597 第一章 兎の穴へ
愛ちゃんは、姉さんと堤の上にも座り疲れ、その上、為ることはなし、
所在なさに堪え切れず、再三姉さんの読んでいる書物を覘いてみましたが、
絵もなければ会話もありませんでした。
愛ちゃんは、『絵もなければ会話もない書物が何の役にたつだろうか?』と思ひました。
丹羽五郎訳
『子供の夢 : 長編お伽噺』明治44年発行
(一)洋服姿の白兎
別荘からは丁度良い距離の河の堤、其処へ綾子さんは是非一緒に行きたいとせがんで、
お姉様に連れて来て頂いたのでありました。
今日はお姉様は土手の草原で御本を読んで許り居らして、
ちっとも一緒に遊んでくださいませんが、それは初めから左様云うお約束でありましたから、
仕方なしに穏順にして居なければならないのでありました。
永代静雄訳
『アリス物語』大正元年発行
兎の穴に落ちて
アリスは姉様と一緒に、土手に登つていましたが、何にもすることがないので、すっかり厭き厭きして来ました。
一二度姉様の読んで居た本を覗いて見ましたけれど、それには絵も、お話もありませんでした。
「こんな御本、何になるのだらう。絵もお話もないなんて。」と、アリスは考へました。
680 名前:
イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2012/07/16(月) 19:50:56.55 ID:LYx6Z7zY
>>621
>>625
アリスの口調は永代静雄訳が一番オレ好みだな
648 名前:
イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 21:23:48.74 ID:1IXVRSKV [2/2]
>>625
それぞれ特徴あって面白いね。
でも、上であげた吉田訳も含めて、どれも「上品で可愛らしい世界」として描こうとしている点は共通している気がする。
北村訳とはそこが違うんだよね。ジブリとIGの違いみたいな。
桃尻語訳の枕草子は好きだけど、それは今風?の言葉の裏にある「品の良さ」が感じ取れるからで、
そこを欠いてしまうと、仮に現実に近かったとしても敬遠したくなる。
626 名前:
イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 11:23:53.82 ID:U/EYkMpw
一時期、古典作品の超現代語訳やら桃尻語やら出てたけど、
死語になった女子高生言葉を読もうとすると、
それこそ古典並みに注釈が必要になりそうだな。
元スレURL:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1340539098/
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