1 名前:
◆GinGaOoo.. @銀河φ ★[sage] 投稿日:2010/10/14(木) 20:41:31 ID:???0
「琉球は美しい水辺の王国」 『トロイメライ』の池上永一さん
琉球王朝末期の王宮を舞台に、知力を武器にして清国や薩摩藩、欧米列強と渡り合う男装の
麗人・孫寧温(そん・ねいおん)の活躍を描いた長編『テンペスト』から2年。今度は同時期の那覇
に暮らす市井の人々を『トロイメライ』で描いた沖縄出身の作家・池上永一さんに話を聞いた。
(アサヒ・コム編集部 梅本響子)
「ビッカビカでゴージャス」な首里王府の世界が広がる『テンペスト』に対して、より素朴な庶民の
暮らしが中心となる『トロイメライ』。三線と歌が得意なおっちょこちょいの青年、武太(むた)が岡っ
引きとなり、那覇の街で起こる事件を通して少しずつ成長していく。
「国家の衰亡を書いていく中でこぼれ落ちてしまった、庶民の暮らしをとりあげた。国や時代の話
ではなく、生活のまなざしで」。2作を併せて読むと、王宮の首里と庶民の那覇、2つの街の違いが
見えてくる。「2つの街を同時に書いて、琉球の拡大するイメージを書きたかった」と意図を語る。
ただ、1994年に発表されたデビュー作の『バガージマヌパナス』や『風車祭(カジマヤー)』など、
これまでの著作には現代の沖縄を描いたものが多かった。「アメリカナイズされた生活習慣と伝統
的な沖縄のふるまいが混ざっていて、どれが時代の古層なのかわからないけど、そこが面白い。
キッチュでポップなものに見えていた」という。初期の作品はそうした「ポップな沖縄」を拾い上げた
ものだが、「その奥に自分のルーツがあり、それが琉球王国だとわかっていた」。自分の中での琉
球王国のイメージを確立しようと資料を調べてみても、そこで描かれている琉球はどれもみすぼら
しいものだった。「明治政府から劣った民族とされて、そこから成り立ってきた風土史観だから。
だからもう1回、自分たちのルーツを上書きした。美しい水辺の王国や!って」。そうして生まれた
のが、『テンペスト』と『トロイメライ』だ。
(>>2以降へ続く)
■ソース:asahi.com(朝日新聞社) 2010年10月14日
http://book.asahi.com/clip/TKY201010140320.htmlhttp://book.asahi.com/clip/images/TKY201010140338.jpg2 名前:
◆GinGaOoo.. @銀河φ ★[sage] 投稿日:2010/10/14(木) 20:41:53 ID:???0
(>>1の続き)
次はどんな沖縄の姿を描くのか。
「もう1回、今の沖縄を書きたい。ポップな沖縄じゃなく。基地問題っていうジレンマは依然としてある。
最近、またそのかさぶたがはがされた。この傷がヒリヒリとうずく感じも、今の沖縄だと思う」。
ただし基地問題を書くにしても「イデオロギーに傾くんじゃなくて、エンターテインメントでやりたい。
誰が読んでも面白いものにしたい」という。「読書という行為を通して小説は完成するんだから」
『テンペスト』は来年2月から、堤幸彦演出・仲間由紀恵主演で舞台化される。
▼池上永一(いけがみ・えいいち)さん。1970年生まれ。
94年、早稲田大学在学中に『バガージマヌパナス』で第6回日本ファンダジーノベル大賞を受賞。
98年には『風車祭(カジマヤー)』が直木賞候補に。ほかに『レキオス』、『夏化粧』、『シャングリ・ラ』など
【関連記事】
『トロイメライ』池上永一著 : 新s あらたにす(日経・朝日・読売)
http://allatanys.jp/C004/L0008M0060S1374TE004.html【書評】『トロイメライ』池上永一著 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/100911/bks1009110745000-n1.htm5 名前:
名無しさん@恐縮です[] 投稿日:2010/10/14(木) 21:18:53 ID:uKLGUod9O
テンペストのアニメ化待ってる20 名前:
名無しさん@恐縮です[] 投稿日:2010/10/14(木) 23:25:15 ID:HchyU96ZO
パガージマヌパナスの人だっけ。
南国特有のおおらかさにあふれた良い小説だったな。
30 名前:
名無しさん@恐縮です[] 投稿日:2010/10/15(金) 02:42:54 ID:flE59T1fO
シャングリ・ラは原作のままアニメにしてたら大変なことになってたな。
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