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◆GinGaOoo.. @銀河φ ★[sage] 投稿日:2013/03/17(日) 22:40:17.50 ID:???0
亡父の姿、無垢な気持ちで
吉川英治文学賞受賞 小池真理子さん
こちらの思い込みかもしれない。しかし、目には、うっすらと涙が浮かんでいるように見えた。
自身の父をモデルにした小説『沈黙のひと』(文芸春秋)で、
吉川英治文学賞に決まった小池真理子さん(60)は、4日の記者会見をこんな言葉から始めた。
「不思議なことに、今日は父の命日なんです」
パーキンソン病で10年苦しんだ父は、4年前のこの日、亡くなった。
その遺品に「面白いもの」を見つけたことが、本書が生まれるきっかけだったという。
「性具を見つけたんです、山のように」。文学好きで知的で真面目だった父の知られざる一面。
それを愛(いと)おしく思った小池さんはエッセーに書きたいと考え、親しい編集者に相談した。
すると編集者は言った。「エッセーじゃもったいない。小説にしてください」
「最初はできないと思ったんです。でも、時間がたつにつれ、これは私にしか小説にできないと思うようになりまして」
親がどんな人生を送り、その時々に何を考えたのか。多くの「子供」は、それを知らない。小池さんも同様だった。だから思った。
「大正生まれの男が学徒出陣で戦争を体験し、85歳で逝った。その一生を再現したい」。
父が残した手紙、その下書き、父あての手紙。それらを書斎に広げ、時に読み返しながら物語をつづった。
普段と違ってプロットは作らず、心に浮かんだことを連ねていった。評価されたいなどとは考えず、ただ「無垢(むく)な気持ち」で。
「私が作家になったことを世界の誰より喜んでいたのが父。
この賞の重みもよく分かっていて、俺のことを書いてよく受賞したと喜んでくれていると思います」
(文化部 村田雅幸)
吉川英治文学賞に決まり、会見をする小池真理子さん
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20130313-996411-1-L.jpgYOMIURI ONLINE (2013年3月17日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20130313-OYT8T00580.htm